強い日差しが差し込む室内で、コーヒーとミルクが混ざる瞬間を捉えました。今回は脚立の上から撮影し、カップの中の様子がしっかり見えるようアングルを工夫。直射光が想像以上に強く、部屋全体もかなり明るかったので、シャッタースピードを速く設定し、露出を抑えています。そのおかげで、ミルクの筋やコーヒーとのマーブルがくっきりと写り、動きのある一枚になりました。

ミルクを注ぐ瞬間を捉えた一枚。マーブル状に混ざり合う様子が印象的
光の特性
撮影時刻は午前中。窓から差し込む直射光がテーブルに強い影を落としていますが、周囲の白い壁やテーブル面の反射もあるため、被写体の暗部が柔らかく補われています。
シャッタースピードを速くしたのは、明るい光量のなかでもコーヒーとミルクの液体感をしっかり描写したかったから。その結果、一瞬で注ぎ込まれるミルクの筋が止まったように写り、見ごたえのある写真になりました。
構図・配置
カップ2つを縦方向に配置し、注ぐ手をフレーム上部に入れて、視線が自然に流れる構図を意識しました。
さらに、やや上から撮影しているため、カップ内の様子がはっきりと見えます。構図としては、まず最初に注ぎ手に視線が向かい、続いてカップ内のマーブル模様へと目が移るよう意図しています。
色彩と質感
テーブルとピッチャーの白、カップの落ち着いたトーン、そして木製コースターのナチュラルなブラウンが、やわらかく自然な雰囲気を与えています。
カップの中のマーブルは、高速シャッターによって模様や色のコントラストがくっきりと引き立ちました。
空間の余白と空気感
つやのあるテーブルが光をよく反射し、全体に明るい雰囲気をつくっています。
余計な小物を置かずシンプルな構成にしたことで、コーヒーとミルクの動きに集中しやすい写真に。強い光がつくる影のラインも、画面に動きを与えるポイントになっています。
視点の解説
- 光の扱い|強めの直射光と反射光を合わせ、ミルクの筋や手元を際立たせる。シャッター速度を上げて露出を抑え、ハイライトをとばさないよう注意。
- 構図のバランス|カップと注ぎ手の位置関係をやや俯瞰で捉え、動きのある構成に。カップ内をしっかり見せる高さと角度をキープするのがポイント。
- 色と質感|白を基調とした空間に、カップのグレーグリーンや木製コースターのブラウンがアクセント。シンプルだが温かみを損なわないバランスを意識。
撮影データ
- レンズ|Canon EF100mm F2.8Lマクロ IS USM
- 絞り値 (F値)|2.8
- シャッタースピード|1/1000
- ISO感度|320
- 焦点距離|100mm (35mm換算)
強い自然光と俯瞰寄りの視点をうまく組み合わせることで、飲み物が混ざり合う瞬間の動きや質感を際立たせることができました。写真は、光や構図によって見え方が大きく変わるもの。今回はたまたま出会えた強い日差しを味方に、ミルクの筋をしっかりと捉えられた一枚となりました。