100mmマクロレンズで撮るコーヒーと奥行き|写真のムード解説 vol.7

2025年02月23日

ダイニングの一角で日常的なコーヒーシーンを切り取った一枚です。ここで意識したのは、焦点距離100mmによる背景の圧縮と、浅い被写界深度を組み合わせること。前ボケと後ボケを両立させることで画面にレイヤーをつくり、奥行き感を意識しました。

coffee_pouring_interior_natural_light
手前に前ボケを配置し、注がれるコーヒーを鮮明に浮かび上がらせる。100mmマクロレンズならではの圧縮効果と自然光が生む、しっとりとした一枚。

光の扱い

撮影時刻は早朝の7時頃。北東向きの窓から届く光は、冬ならではの低い角度でやわらかく回り込みます。窓越しの自然光がガラスサーバーや陶器に柔らかい反射を作り、部屋の白い壁や天井に反射することで、強い影を生まずにほどよいコントラストを保ちます。

被写体の配置・構図

中央にコーヒーカップを据え、その奥にガラスサーバーを配置。注ぎ手が右上から入る構図をとることで、視線を自然にカップへ誘導しています。さらに、100mmマクロレンズの圧縮効果により、背景がぐっと近づいて見え、シーン全体が密度高く切り取られています。手前には小物やカップの一部をボケさせ、前ボケを活かすことで写真の奥行きを強調しました。

色合い・質感

背景やカウンターは白や淡いグレーで統一。そこに、深いブラウンのコーヒーをアクセントカラーとして加えています。ガラスサーバーの透明感や、陶器のマットな表面の差異を自然光が引き立て、単調になりがちな室内のシーンに豊かな表情をもたらします。過度な装飾を省いている分、素材の持つ質感や光の反射が際立ちます。

空間の余白・バランス

不要な要素をフレームに入れず、背景を大きくぼかすことで、写真に「余白」を感じさせています。被写体と壁の距離を十分にとり、100mmマクロ特有の浅い被写界深度を活かした後ボケで主役を際立たせました。前ボケ・被写体・背景ボケの三層を作ることで、限られた空間でも奥行きを生み出しています。

撮影データ

  • レンズ        Canon EF100mm F2.8Lマクロ IS USM  
  • 絞り値 (F値)    F2.8  
  • シャッタースピード    1/800  
  • ISO感度        125  
  • 焦点距離        100mm (35mm換算)

自然光と100mmマクロレンズの組み合わせで、日常のコーヒーシーンにも奥深いムードが生まれます。圧縮効果や前後ボケを上手に活かせば、シンプルな構図でも奥行きと臨場感を感じる一枚に仕上がります。

 

 

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