ルームサファリ(roomsafari)のコートラック。上着や日用品など身の回りのものを整理するために重宝しています。設置が手軽で移動も簡単、何より場所を圧迫しないそのスタイルが気に入り、数年前に購入しました。かつては来客用にとアトリエで使用していましたが、今は自宅で使っています。
ルームサファリのリーノン(Leanon)II。黒いメタルフレームと無垢のオーク材のみでできたミニマルなハンガー掛け
ルームサファリ(roomsafari)
ベルリンの障害者支援団体「Vereinigung für Jugendhilfe Berlin e.V.」(以下、VfJ)の施設内に設けられた工房「ルームサファリ(roomsafari)」。デザイナーのクリスティーン・ノグテフ(Christine Nogtev)さんとチョル・チョンさんによって製造され、販売されています。
オーク材のレールの両端には、目に見えないマグネットが埋め込まれていて、キーホルダーなどがくっつきます
ルームサファリの製品の魅力は、使い勝手とシンプルな美しさの両立。このコートラックもその一つで、オーク材のレールと黒いマットなフレームしか使われていません。組み合わせがスタイリッシュで目を惹く一方、使い方はとても直感的なんです。
壁に立てかけるだけで、工具もいらず簡単に組み立て可能です。荷物を掛けると壁と床にしっかりと固定されるので安定が増す仕組み。おかげでアトリエもスッキリとし雰囲気もよく馴染んでいました。
壁と床の接着部には、ゴム製のキャップが付いていて壁や床を傷つけません。
ルームサファリの製品コンセプトは、“リラックスした生活と仕事のためのパートナー”なんだそう。無駄がなく、在るだけで美しいプロダクトの数々。たしかに頷けます。
製品の魅力は見た目の美しさだけではありません。世界で最も権威のあるデザイン賞といえば「iF DESIGN AWARD」。そのプロダクトデザイン賞(2005年)受賞をはじめ、数々のデザイン賞を受賞してきたのには、他に理由があります。
ルームサファリは、材料の調達、生産パートナー選定を地元にこだわり、また、持ち運びにやさしく、組み立てが簡単、耐久性に優れている製品づくりに長らく取り組んでいます。いまでは珍しくないかもしれませんが、2000年初頭、いまから20年以上前から、環境への配慮や経済合理性を追求したものづくりに取り組んできました。
今回ご紹介したルームサファリのコートラック。受賞歴や、プロダクトの使い勝手、美しさもさることながら、私たちが最も気に入っているところは、空間によく馴染んでくれる点です。個々に個性があって主張するプロダクトよりも、生活空間の中にうまく溶け込む、そういうモノと過ごす日常にどちらかというと引かれるのかもしれません。そんな空間にコーヒーがあればもう言うことがありません!