深い藍色の世界|北欧の名窯 Arabia アネモネの魅力

2024/04/13 7:01:42

家のなかのモノが増えだすと、なんとなく落ち着かない気分が続きます。もともと、置き場所をイメージできない物は、できるだけ買わないようにしているのですが、それでも気づけば増えていた、ということがまったく無いわけではないんです。

往くカップ、来るカップ

キッチンを中心にコーヒー関連のものがたくさんあるカフェノマの自宅。なかでも数が多いのはコーヒーカップです。新陳代謝のごとく、ときどきカップの入れ替え戦を行うのですが、何度整理をしても手元に残したいカップのひとつが、アラビアのアネモネシリーズ。私のカップコレクションの殿堂入りアイテムとなっています。

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アネモネの魅力

このカップの最も印象的なところは、その色合いです。深い藍色で描かれたアネモネの花びらと、グレーのカップとの組み合わせに思わず見惚れてしまいます。手描きならではの筆運びや筆圧の違い、ひとつひとつ異なる線の揺らぎや色の濃淡が、得も言えぬ温かみを感じさせてくれるんです。

CaputureOne9330-2アラビア アネモネシリーズ。写真左/コーヒーカップ2脚、写真中央/スタッキングされたエスプレッソカップ、写真右/クリーマー

2014-02-08 12.56.36-2-2-2藍色の花柄は、昭和の頃のキッチンにあった家電製品を彷彿とさせます。当時の日本のキッチンウェアが北欧デザインの影響を受けていたことが垣間見れるようです

CaputureOne9239-210年近くカップボードのなかの位置が変わらないアラビア アネモネ。上段にエスプレッソカップ、下段にコーヒーカップが2脚ずつ並びます。在るだけでカップボード全体がグッと引き締まるように感じます。

アネモネのもうひとつの魅力は、カップ裏側のバックスタンプ。アネモネに限らず、アラビアビンテージの裏側は、世界的な窯元の歴史をいまに伝えるアイコンです。

20171014-_MG_7049-2-2窯元のロゴやシリーズ名、時にはデザイナーの名前まで表すバックスタンプ。手描きのものや、デザイナー、そして絵付け師の両名のサインがあることも

このマガジンの名前を「エブリデイ コーヒー リトリート」と名付けた時、最初に思い浮かべたカップはアネモネでした。リトリート(retreat)は、一時的な休息や避難を意味する言葉。私たちにとって、コーヒーは日常から離れて心身を癒やす、お供のような存在なんです。

コーヒーと共に過ごすリトリートの時間。そんなときのお供には、アラビアのアネモネが理想なのかもしれません。

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