何気ない日々の生活を支えるシューメーカースツール

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2024/04/12 16:58:59

わが家のお気に入りの一脚、シューメーカースツール。その名の通り、靴職人が長時間座っても疲れないようにと工夫した椅子。15世紀のデンマークが起源で、元々は、牛を搾乳する際に使う椅子だったそうです。1970年代になってこれを洗練させ、現代のシューメーカースツールが誕生しました。

photo3163シューメーカースツールは1990年代に日本に初登場し、アクタスがWerner社に100脚を注文したことから始まったそう(Actus online shopより)

この椅子の魅力は、3本脚でしっかりと安定し、長時間でも快適に座れること。使っているのは座面の高さが42cmのタイプ。一般的なダイニングチェアと比較すると、少し低めですが、そのおかげで日常のいろいろな場面で重宝しています。

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たとえば玄関で靴の紐を結ぶとき。やや低めの座面がちょうど良く、立ちながらだと疲れてしまう作業をラクにしてくれます。また、洗面所に置いて、洗濯の準備のときにも、この椅子のおかげでスムーズに。ちょっとしたことかもしれませんが、これが毎日続くと大きなストレス軽減につながるんです。

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隈研吾デザインによるスノーピーク社製の「住箱」というトレーラーハウスがあります。かつて、「生活者研究」を行っている研究所の委託を受け、コーヒーを楽しむための空間コンセプトを考えるお仕事がありました。

20180403-_MG_0190建築家の隈研吾によるスノーピーク社製「住箱(じゅうばこ)」。木製のトレーラーハウスで、3箇所ガラスのはめ込みになっており、窓や出入口としても利用可能

限られた広さを、快適にくつろげる場所にしたいと考えたとき、真っ先に思い浮かんだのがシューメーカースツール。その座り心地、選べる4つの大きさ(高さ)、そして背もたれのない解放感がこの狭さを忘れさせ、心地よく広々とした印象を与えてくれます。

20180403-_MG_0166沖縄のコーヒー農園敷地内に設置された住箱。照明は、カフェノマではお馴染みの、ORIGINAL BTC(オリジナルビーティーシー)のポット型ペンダントライト

また、この椅子の座面はビーチ材で、お尻にフィットするように削り出されていて座り心地が良いんです。さらに、表面は石鹸の油脂を使った仕上げで、自然な木の触感がダイレクトに手に感じられるのも魅力です。

photo3199思わず座り心地を確かめたくなる座面。天然木を切り出すため、木目の出方は一つとして同じものがない、それも魅力の一つです。

最初はもっと白かったこの椅子ですが、使っているうちに、少しずつ深みのある色に変わってきました。それが部屋の雰囲気に馴染んで、ますます愛着が湧いてきます。木の暖かみと自然な曲線が作り出す形状は、ただそこに存在するだけで、目を楽しませてくれます。そして、体を優しく受け止めるデザインは美しさだけでなく、機能性も実現しています。

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この椅子のおかげで、私たちの生活はぐっと楽になっています。日常をちょっと軽やかにしてくれるそんなスツールです。それを感じる毎日が、何より嬉しいですね。