せっかく買ってきたお気に入りのコーヒー豆。できれば、最後まできちんとおいしく楽しみたいものです。そこで今回は、コーヒー豆の保存方法についてお届けします。
コーヒー豆のおいしさを長くキープするために
コーヒー豆は、想像以上にとてもデリケート。袋を開けた瞬間から、どんどん劣化がはじまります。
劣化は、風味の低下につながります。たとえば、食パンを翌日もおいしく食べるためには、どのように保存するでしょうか。乾燥や湿気から守るため、しっかりと袋の口を留めたり、日の当たらない場所に置いたりするはずです。
コーヒーの最大の魅力とも言われる香りの成分は、焙煎直後からどんどんと放出されていきます。購入後のコーヒー豆の袋が、日が経つにつれどんどんとふくらんでいくのを見たことがあるかもしれません。まさにそれが、豆から放出されるガス(二酸化炭素)です。ガスが放出されるとき、香りの成分も一緒に出ていってしまっているのです。
コーヒー豆が嫌うのは、温度、湿度、紫外線、酸素
ではコーヒー豆を保存するとき、どこに注意したらよいのでしょうか。
コーヒーの劣化の原因は、極端な高温もしくは温度変化の激しい環境、湿気、直射日光のような紫外線、そして空気に触れることが挙げられます。
つまり、直射日光や高温多湿を避け、密閉した容器で保存するのがベターです。
冷凍? 真空? 毎日飲む場合のベストな保存方法は?
コーヒー豆を保存する際の、酸化を防ぐ方法は実にさまざま。密封状態で冷凍庫へ入れる、真空になる容器や器具を使うなどもその一例です。どれも間違いではありませんが、冷凍の場合は、冷蔵庫から出したあと、30分ほどかけて常温に戻す必要がありますし、真空パックも専用の器具や手間が不可欠です。
すぐ飲みたい場合、毎日飲みたい人が、おいしく無理なくコーヒー豆を保存するためには、以下の方法を心がけてみてください。
短期間で飲みきれる量だけを購入を。
2週間〜長くても1ヶ月以内には飲みきれる量を購入しましょう。それでも飲みきるのに1ヶ月以上かかってしまいそうなときのみ、密閉袋に入れて冷凍保存を。
保存は常温、密閉できる容器で。
保存は温度管理の難しい冷凍は避け、常温でOK。ただし、パッキンがついたキャニスターや密閉できる保存袋など、空気の出入りをシャットダウンできるものを選んで。
直射日光や高温多湿を避けて。
直接日差しが入る窓辺、ライトの真下、温度が上がりやすいコンロ近く、湿気が多い場所などは避けましょう。
できるだけ飲む直前に、豆から粉に。
今回の保存方法はコーヒー豆を前提としていますが、粉で購入する場合は香りを楽しむために、一回分ずつ小分けにして冷凍保存するのが理想的です。ただし、それが難しい場合は、10日程度で飲みきれる量を購入するのがおすすめです。
コーヒーは粉になると表面積が増えるため、温度や湿度変化の影響をより受けやすくなります。できれば挽いた日が不明なコーヒー粉の購入は避けましょう。
一人分から挽ける小型コーヒーミルも、3000円以下の手頃な価格のものが増えてきました。思い切って購入してみるのも暮らしを変えるきっかけになるかもしれません。
まずはこまめに楽しく飲む気持ちでトライを
カフェノマがお届けしたいのは、コーヒーのある暮らしを楽しむこと、そして続けていけること。あまり難しく考えず、まずは飲みきれる量のコーヒー豆をすぐそばに置き、いつでも飲める環境からはじめてみませんか。
参考図書:「コーヒー『こつ』の科学」石脇智広(柴田書店)2008年