一般的に、見せる収納と見せない収納がある、というお話を過去にしました。たとえば我が家の場合、カップのための棚は、“見せる収納”になり、反対に、なかのモノを隠す場合、それは“みせない収納”となります。
今回ご紹介する籠(かご)は、みせない収納のひとつ。中のものは隠しながらも、置き場所はひときわ目につく場所にあります。今の家に入居したときから同じ場所に鎮座する長年の愛用品です。
下の写真で分かるように、この籠は食器棚の上と位置が決まっていて、大きい方が右側、小さい方が左側に並びます。実は、この位置が空間の雰囲気を決める、ある重要な意味を持っています。
心地よいバランスを保つインテリアには「2対8の法則」があると、かつてお話したことがあります。味のある古いものが2割、新しいものが8割という割合のことで、私たちが日々過ごすなかで見つけた、独自の感じ方です。このうち、「味のある古いもの」のひとつがこの籠にあたります。
詳しい内容は、この記事「心地よいバランスを保つインテリア、2対8の法則」にまとめています。
白が中心となったLDK。このままでも明るさ、真新しさがあって好ましいという方もいるかもしれません。私たちの場合は、もうすこし味のあるものを足して全体をバランスさせたいと考えます。例えるなら、白いキャンバスに茶色の絵の具を落とすかのように、木製家具やビンテージ品をぽつんぽつんと配置していくようなイメージです。
限られた居住空間のなかで、いかに収納を工夫するかは、なかなか頭を悩ますことですよね。見せる収納、見せない収納といっても実際は、なかなかイメージも湧きづらいと思います。今回ご紹介した籠は、インテリアとしても映えるアイテムですが、それだけでは納得のいくインテリアが叶うとも限りません。空間全体のバランスや好みの配色などを見極めながら、私たちも日々、心地よさを追求しています。