「水無月(みなづき)」は、私にとってちょっと特別な和菓子。毎年夏が近づくと甦る、思い出の味なんです。
子供の頃、初めて近所の和菓子屋で口にした「水無月(みなづき)」。表面にぎっしりと詰まったあずきの甘さと柔らかい“ういろう”の虜になってしまいました。以来、夏の訪れを毎年待ちわびているのです。
関東で生活している私にとって、水無月に出会う機会は稀です。後になってこの和菓子が京都で生まれ、夏越の祓いの神事に由来して、無病息災を祈念して食べるということを知りました。
ご紹介する美しい水無月は京都の有名和菓子屋、仙太郎のもの。いつか初夏の京都で、その土地ならではの水無月を食べ比べしたいものです。
特徴的な三角形の水無月を見つけたら、ぜひ手に取ってみてください。それはこの季節だけの楽しみ、季節の風味を纏った美味しい水無月です。