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日の出直後の自然光を活かした室内写真と構図のコツ|写真のムード解説 vol.9

作成者: 刈込 隆二|2025年03月01日

日の出直後の室内写真は、独特の穏やかなムードを持っています。今回は、早朝の柔らかい自然光を最大限に活かした一枚を紹介しながら、その魅力と撮影のポイントをお伝えします。


柔らかな朝の自然光を利用し、高い位置からの撮影で湯が落ちる瞬間を捉えた一枚。

光の扱い

撮影は日の出直後、直射光が室内にまだ届かない時間帯を選びました。強すぎる光は影を濃くし、被写体の細かな質感を消してしまいます。この写真では、柔らかな間接光を窓辺から取り入れることで、ポットやドリッパーの繊細な質感や、落ちる湯のしずくまで鮮明に捉えています。

構図のコツ

今回の撮影では三脚を高めの位置にセットしました。理由はふたつ。一つは直射光の反射を抑えるため、もう一つはポットから流れるお湯のラインを美しく見せるためです。シャッタースピードを速め、連写機能を使うことで、滴るお湯や抽出されるコーヒー液をはっきりと捉えました。被写体の位置は画面の右上三分割ポイントを意識して配置し、視線を自然に誘導しています。

色合いと質感

カラーは柔らかな朝のイメージに合わせ、ホワイトや淡いブルー系で統一。質感の美しさを際立たせるために、ガラスと陶器、そして背景のぼかしを意識的に使い分けています。ガラスの透明感と陶器の滑らかな質感を並べることで、写真のシンプルな美しさを引き出しています。

余白のバランス

室内撮影では余白の取り方が非常に重要です。この写真では、窓辺の余白を大胆に取り、静かな朝の雰囲気を強調しました。余白があることで、見る人は静かに湯を注ぐ動作や、その時間帯特有の空気感をじっくりと味わえるでしょう。

撮影データ

  • レンズ: Canon EF100mm F2.8Lマクロ IS USM
  • 絞り値 (F値): 2.8
  • シャッタースピード: 1/320
  • ISO感度: 320
  • 焦点距離: 100mm (35mm換算)

シンプルな構成ですが、朝の自然光や構図のちょっとした工夫だけで写真が深みを持つことを感じていただければと思います。