光、テーブル、椅子、コーヒー、お菓子。縦や横に伸びる画面上の線が楽しい一枚です。必要最小限の要素だけを残して、自然な空間の広がりを意識しました。
撮影時刻は午前9時過ぎ。ブラインドを通して入る自然光はまだ角度が低いとはいえ、快晴の直射光で影がはっきり出ています。床やタイルカウンターが光を拡散し、程よいバランスに。全体にややハイライトが強調される分、お菓子やコーヒーカップの存在感が際立つのが特徴です。
俯瞰(ふかん)の視点で撮影することで、タイル目地のラインや椅子のフォルムが抽象的なパターンになり、画面に広がります。コーヒーカップとお菓子は縦一列に並べ、視線を自然に垂直方向へ誘導。シンプルながら整った構図になりました。
床・タイル・椅子カバーをベージュや白の淡い色調でまとめ、木のプレートやコーヒーの濃い色合いをアクセントに。タイルのつるりとした質感、木の温かみ、コーヒーのマットな表情が組み合わさることで、見た目はシンプルでも、素材の違いが生む心地よいコントラストを楽しめます。
シンプルなダイニングでも、光の向きや被写体同士のバランス、素材や色の組み合わせを改めて観察することで、いつもの風景がまったく違う表情を見せてくれます。ぜひ、ご自宅などの身近な空間で試してみてください。