ブログ:コーヒーと家とインテリアの楽しみ方

早朝の窓辺と琥珀色のコーヒー|写真のムード解説 vol.2

作成者: 刈込 隆二|2025年02月15日

雲の多い朝、日の出の頃に撮影。部屋の中はまだ暗かったので、コーヒーの琥珀色が良い感じに浮かび上がりました。おかげで全体として静かな雰囲気の写真に。ちなみに最近のインスタグラムへの投稿でもっともエンゲージメントが高かった一枚です。

光の特性

撮影は2025年1月30日の午前6時39分、朝日が北東向きの窓辺を照らしはじめる時間帯です。室内は、床・壁・天井がすべて白いため、シャドウ部もほどよく光が回ります。おかげで暗部がつぶれず被写体の存在感を引き出してくれました。

構図・配置

主役のコーヒーサーバーは画面の中央からやや外れた位置に。画面の左側を大きめに空け、余白を作ることで、視線がスムーズに被写体へ流れるように意図しています。余白は、“視線の休息地”とも言われます。

色彩と質感

日の出前のため、全体がややグレイッシュなトーンに。ガラス製サーバーにわずかに届いた光のおかげで、唯一暖色を帯びたのは、コーヒーの琥珀色でした。かすかに見えるガラスや金属の反射が小さなアクセントとなっています。

視点の解説

光の扱い|直射日光が強すぎると硬い影になりやすいので、光が強いときはカーテンやレースを使ってやわらかく整える。 

余白の取り方|背景や周囲を整理すると、主役が引き立ちやすい。構図を決める際、スペースの空き方を丁寧に検討。

素材の組み合わせ|マットなものと少し光沢があるものを混在させると、見た目にコントラストが生まれる。全体の色味を揃えれば統一感が高まる。

撮影データ

  • レンズ|SIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSM | Sports
  • 絞り値 (F値)|2.8
  • シャッタースピード| 1/200
  • ISO感度|800
  • 焦点距離|101mm (35mm換算)

200mm近い望遠域をカバーするレンズですが、今回は101mm付近の画角を選択することで、画面内にほどよい圧縮効果と背景のボケを生み出しています。F2.8の明るい開放値と高めのISO感度が、室内の限られた光源でもブレを抑えながらしっかりと撮影する助けになっています。シンプルな構図に少しの余白を組み合わせることで、光と影が生み出す「静寂と余韻」をとらえた印象的なカットに仕上がりました。